防災・避難・救助

防災リュックの選び方|素材・容量・重さの正解を防災士監修データで解説

2018年10月7日

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避難するとき、どんなバッグに入れて逃げますか?

「防災グッズは揃えたけど、バッグは普通のリュックで代用できる?」
「何リットルのサイズを選べばいい?」

こうした疑問を持つ方は少なくありません。
非常用持ち出し袋(防災リュック)は、災害発生直後の一次避難。自宅から安全な場所へ移動するまでの数時間から1日分の物資を運ぶための道具です。
まず逃げる、そのための道具として機能できなければ意味がありません。
この記事では、素材・容量・重さの3つの観点から、防災リュックの選び方を整理します。


1. なぜ「リュック型」でなければならないか

非常用持ち出し袋は、必ずリュック(バックパック)型を選ぶのが大原則です。

  • 両手が空く:瓦礫をかき分けたり手すりをつかんだりと、両手を使う場面が想定されます
  • 走れる:ショルダー型は前面に荷物が回り込んで移動の妨げになります
  • トートやキャリー型は緊急避難には不向き:道路の隆起・段差・浸水があれば車輪が使えません

ただし、重い荷物を持つのが難しい高齢者の方などは、状況がある程度落ち着いてから荷物を運ぶ際にキャリータイプを活用する方法もあります。


2. バッグの素材で確認すべき3つの機能

① 防炎・難燃素材(最重要)

火災や延焼が発生している可能性がある災害現場では、バッグ自体が燃えにくい素材であることが重要です。
公益財団法人 日本防炎協会が認定した防炎素材(主に燃えにくい「難燃繊維(難燃ポリエステル、難燃アクリル、ビニロン等)」や、化学繊維に防炎処理を施した素材)を使用しているかどうかを確認しましょう。
一般のアウトドア向けリュックには防炎加工が施されていないものがほとんどです。

② 防水・撥水加工

豪雨や浸水の中での避難を想定すると、防水・撥水加工は必須です。
中の食料や衣類、書類を濡らさないためにも、内側コーティングや防水ファスナーが付いたモデルを選ぶと安心です。

③ 視認性(反射材・蓄光材)

夜間や停電下での避難を考えると、肩ベルトや全面に反射材(リフレクター)が付いていることが重要です。
車やほかの避難者から発見されやすくなり、二次災害の防止につながります。
暗所で光る蓄光材が持ち手部分に施されているモデルもあります。


3. 容量の目安は「人によって異なる」が正解

防災リュックの容量に「絶対の正解」はありません。
体力・体格・家族構成・避難距離によって最適なサイズは変わります。

対象推奨容量の目安
成人男性(体力に自信あり)30〜40L
成人女性20〜30L
高齢者20L前後(軽量優先)
子ども(小学生)15〜20L

重要なのは容量より「実際の重さ」です。
目安は、詰めた状態で自分の体重の20〜30%以下
一般的には総重量6〜7kg程度が長時間の徒歩避難に無理のない限度とされています。

⚠️ 「14〜20L台の防災セット」に注意
市販のセット商品には14〜20L程度のコンパクトなリュックが付属しているものがあります。
実際にセット内容物+水(1.5〜2L)を詰めると容量が不足するケースが多く報告されています。
購入前に「付属グッズをすべて入れても余裕があるか」を確認しましょう。


4. 重さの管理:詰めすぎると命取りになる

東日本大震災では「道路が隆起・ひび割れし、荷物が重くて歩行が困難だった」という被災体験が多く報告されています。
防災リュックの役割は「3日間の物資をすべて持ち出す」ことではなく、「避難先まで安全に移動する」ことです。

3日分の備蓄は自宅(または職場)に備えておき、リュックにはまず逃げるための最低限を入れるという考え方が現在の防災の標準的な考え方です。

防災リュックに入れる水は1.5〜2L程度が現実的。
1日3Lという備蓄の目安は自宅備蓄の話であり、逃げる際には飲料分だけ持ち出す、という使い分けが適切です。


5. その他チェックしたい機能

チェストベルト・ウエストベルト

長距離を歩く際に肩への負担を分散させます。
重い荷物を背負うときほど効果的です。

ホイッスル

万が一がれきの下に閉じ込められた場合、大声よりも体力を消耗せず存在を知らせられます。
リュックの肩紐部分に内蔵されているモデルは、取り出す手間がなく実用的です。

背面メッシュ・通気性

避難中は体温が上がります。背中側のメッシュ加工は長時間の使用で蒸れを防ぎます。


6. セット型 vs 単品型、どちらを選ぶ?

ポイントセット型単品型(バッグのみ)
向いている人防災グッズをゼロから揃えたい方すでに防災グッズをある程度持っている方
メリットすぐに使用できる / 選ぶ手間が少ない必要なものだけカスタムできる
注意点セット内容の品質にばらつきあり自分で中身を揃える手間がかかる

はじめて防災リュックを購入する場合は、防災士監修のセット型にして、不足するものを買い足すアプローチが効率的です。


7. 参考商品:グッドデザイン賞受賞モデルで確認する選定基準

市場で評価の高い防災セットを例に、実際の仕様を確認してみましょう。

防災セット 地震対策30点避難セット 1人用

  • リュックサイズ:290×385×130mm、内容量 約14L
  • リュック本体重量:約550g/防災グッズ込みの総重量:約5kg
  • 素材:日本防炎協会認定の防炎素材、防水・防汚加工
  • 機能:蓄光材(持ち手)、反射材(全面・肩ベルト)
  • 内容:多機能ライト・保存水・簡易トイレ・水のいらないシャンプー・救急セットなど30種

注意点:この製品に付属するリュックは約14Lです。
上述のとおり、14Lは必要最低限のグッズをすべて収納するには容量が少々タイトな場合があります。
セット内容物をすべて入れた上でなお余裕があるか、購入前に確認するか、別途20〜25L程度の防炎対応リュックを用意して中身だけ移し替える方法も選択肢のひとつです。

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8. 普段使いのリュックで代用できる?

アウトドア用・通学用などの手持ちのリュックを防災用に転用したい場合、以下を確認してください。

  • 防炎・難燃素材か(最重要。ほとんどの一般リュックは非対応)
  • 防水・撥水加工があるか
  • 容量は20L以上あるか
  • 両肩でしっかり固定できるか(チェストベルトがあるとなお良し)
  • 反射材が付いているか

防炎素材の有無が最大の差異です。
一般のアウトドアブランドのリュックは耐久性・防水性に優れるものも多いですが、防炎認定を受けた製品は防災専用品でなければほぼ見当たらないのが現状です。


9. まとめ:防災リュック選びの5原則

  1. 必ずリュック型を選ぶ(両手が空くことが最優先)
  2. 防炎認定素材+防水・撥水加工を確認する
  3. 容量は20〜30L(総重量6〜7kg以内が目安)
  4. 反射材・チェストベルト・ホイッスルは安全性を高める重要機能
  5. 中身を実際に詰めてから容量を確認する(逆算で選ぶのが正解)

防災グッズをひとつひとつ揃えた後に、「全部入れたらどのくらいの量になるか」を確認してから、バッグの容量とサイズを選ぶのが最も合理的なアプローチです。

本記事は公益財団法人 日本防炎協会、各防災士監修情報をもとに作成しています。掲載商品情報は記事公開・更新時点のものです。最新の価格・仕様はAmazonの商品ページでご確認ください。

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